TZR250R(3XV)整備・トラブル日誌
(2002年版 ドッグファイトチャンバー装着&TM28セッティング)


TZR250(3XV1)に関する整備日誌です。失敗の多い日誌ですが、同じ間違いをしないためにも参考になるかもしれません。
内容についてはできるだけ記憶通り書いているつもりですが、適切な方法でない箇所や誤りもある可能性があります。
参考にされるのはかまいませんが、実際作業される場合はサービスマニュアルやパーツリストなので確認の上、整備されることを御願いします。



02.08 ドッグファイトチャンバー取り付け&キャブセッティング
中古のドッグファイトチャンバー(DFR)を入手しました。
92SP用のドッグファイトチャンバー(SSフクシマ時代の物)ですが、91−93STD、91SPは同じフランジ、チャンバーだそうです。
ただし、自分で全車種へのフィッティングは確認はしてませんので責任はとれません。各自ご確認ください。
これに伴うTM28のキャブセッティングも載せておきます。

また、吸排気の変更になりますので、ノーマルのようにオールシーズン同じセッティングでOKでなくなる可能性や使用環境による
セッティングの差異がでる可能性が非常に高くなります。このへんを理解した上で変更した方が良いと思います。
また、キャブは真鍮でできた部品などもありますので、なるだけ専用のキャブドライバなど使い、力加減には注意してくださいね(#^.^#)


入手した状態、サイレンサーにへこみ&擦り傷はあるものの、年式考えればまーまーでしょうか?



軽くレストアっていうかメンテしてから、取り付けることにしました。
まずは内部の洗浄、OHってことで
パーツクリナーを一缶ずつチャンバーに蓋をして吹き込んで、1時間ばかし放置。
その後、シャカシャカとシェイクしてすてました。当然ながらまっくろの液が出てきます。
まーこれである程度は内部にたまってたススや、油の固まりはとれたと思います。

その後、錆びを紙ヤスリでとりました。手でやってましたが、ラチあかないので家に転がってたサンダーなんか
持ち出して、まーなんとかだいたい取れました。
あとは耐熱缶スプレーでブラック塗装してます。



ご覧のように、シリンダにフランジを取り付けると楕円になっちゃいます。
SPは楕円ですが、STDはシリンダ真円ですからね、、
でも、これが良いそうですよ。STDにも
あ、ちなみにシリンダに填め込む形式になるので、STDにつかってたフランジとシリンダの間のガスケットは不要です。
ただ液体ガスケットは塗ってください。



さて、ここから良い子のキャブ口座です(*^_^*)
自分も実はキャブ触るの初めてですので、メモかわりも含め調べたこと全て載せて起きますので参考にされてください。
TZR250R(91)のSTDです。キャブはミクニのTM28になります。

まずは各キャブの部位の守備範囲です。
ただし各部位とも、ここまで綺麗に別れてるわけでなく、たとえばメインジェットを変更した場合、開度の低い域でも影響がでるようです。
ここに書いてる各部位が実際TM28のどの部分にあたるかは、下に写真載せてますので、確認されてみてください。

部位名 守備範囲 調整方法
エアスクリュー スロットル開度0(アイドリング)〜1/8までの混合比を
調整します。
締め混んだ状態からの、緩める量で調整します。
緩めると薄くなっていきます。
パイロットジェト スロットル開度1/8〜1/4までの混合比を調整します。 パイロットジェトを交換(異なる番数に)して調整します。
番数が大きいほど濃くなります。
ジェットニードル(針) スロットル開度1/4〜1/2までの混合比を調整します。 ジェットニードルの上からの(太い方からの)段数で調整します。
段数が上になるほど、薄くなります。
ニードルジェット(筒) スロットル開度1/4〜1/2までの混合比を調整します。 ニードルジェットを交換して調整します。
P<Q<Rの順で大きくなります。大きいほど、濃くなります。
P−8、Q−0、Q−2、、R−0、R−2のような感じで番号は
振られてます。
ジェットニードルの段数変更より微調整できるらしいですよ。
メインジェット スロットル開度1/2〜全開までの混合比を調整します。 メインジェトを交換(異なる番数に)して調整します。
番数が大きいほど濃くなります。
パワージェット 高回転域(含むオーバレブ域)の流速が早くなるような、
領域でガソリンを噴射します。
これはメインジェトのみで調整した場合、中回転域では
濃い目となってしまうため、補助的に高回転でも良い
混合比を保つためです。
基本的にはTZR250R(STD)では調整できなくなってます。
またTM28の場合、負圧が高くなることでパワージェットから燃料が
吐き出されるため、エアクリを外すなどの直キャブ仕様の場合、
負圧が一定とならずセッティングがでません。
このような場合、パワージェットをメクラにしてしまう方が良いそうです。
スロットルスクリュー アイドリングの回転数の調整です。 閉めるとアイドリング回転数があがります。
上/下キャブとも同じ締め込み量でセットしてください。
コンペンセーター
(ソレノイド制御)
電子制御キャブと言える部分だと思います。
なので直キャブ部品と言うわけではないかな?です。
以下、ちょと自信なしの説明です。
コンペンセーターはCDIよりスロットル開度、エンジン回転数などをキャチし、
キャブが複数のソレノイドバルブを開閉しメインノズルを通るガソリンへ混ぜる
空気の量をコントロールします。
メインノズルへ混ぜる空気の量により燃料、濃い薄いを細かく制御してます。
簡単には低回転では空気混有率を増やし薄目に、パワーゾーンでは空気混有
率を減らし濃いめに、オーバレブ域では空気混有率を増やすような制御をしてます。
もちろんスロットル開度でも違うと思いますよ。
このへんパワージェットと似たような役目ですね。






次は各天候・季節による燃料濃度の違いです。
これら考慮した上で、ある程度濃い目にしてた方がいいかと、思います。
日の状況やツーリングへ行く地域で、状況がかわるからです。
状況 燃料濃度 対策
温度が高い ガソリンの気化量が多くなり、また空気が膨張するため酸素濃度が低くなります。
よって、ガソリン濃度が多くなり濃い目となります。
夏場は薄目にセッティングしましょう。
温度が低い ガソリンの気化量が少なくなり、また空気が縮小するため酸素濃度が高くなります。
よって、ガソリ濃度が少なくなり薄目となります。
冬場は濃い目にセッティングしましょう。
湿気が多い 空気中に湿気が高いため、同じ空気の量でも実際には空気の濃度が薄くなります。
よって、ガソリン濃度が多くなります。
ツーリングなどでの突然の雨でもかぶらない
程度の濃い目しとく必要がありますね。
湿気が少ない 空気中に湿気が低いため、同じ空気の量でも実際には空気の濃度が濃くなります。
よって、ガソリン濃度が薄くなります。
湿度の低い時期は焼き付かないように濃い目
にセッティングしましょう。
高度が高い 高度が高いとガソリンが気化しやすくなり、また空気が薄くなってしまいます。
よって、ガソリン濃度が高くなり濃い目となります。
自分みやいに阿蘇・久住などの高度の高い
地域へツーリング良くする人は、かぶらない
程度の濃さにする必要がありますね。


良く聞く言葉について!!
言葉 意味合い
焼き付く 言葉の通り、シリンダとピストンが引っ付いてしまい、動かなくなってしまった状態。
その衝撃で下手するとコンロッドがボキとか、、クランクがバキとか、、
プラグチョップ エンジンをある程度の区間で全開でまわした状態で、キルスイッチを押し。
クラッチを切った状態で、停止し。プラグの状態を確認します。
正しい、焼け具合を判断する時にやる方法です。
デトネ エンジン内が高温になり、ピストンやシリンダヘッドを溶かしてしまう症状です。
高温になるため、混合気が点火時期に関わらず勝手に燃え出します。
ひどいと、エンジンOFFでもエンジン回り続けるなどもあるとか、、
ずっとやってると焼き付きます。



キャブセッティングの簡単な手順です。
ミクニのTM28のキャブはメインジェット変更することで全域で影響あるそうなので、全開域の方からセッティングしていってください。
ようはメインジェット変更からってことです。

変更後、アイドリングを調整してください。
スロットルスクリューでアイドリング回転数を調整、エアスクリューを調整し、回転数が高くなる方へセッティングしてください。
回転数が高くなったら、スロットルスクリューで適切な回転数へ戻してください。これを繰り返してください。

空ぶかしして、へんな引っかかりなんかないか確認してください。
それが終わったら試乗してみてください。
全開、中開度で問題ないか確認してください。

濃いめだと
→エンジンが高回転まで回らない。ぼこつくなど症状がでます。
→プラグチョップしてみて、真っ黒
→コーナー立ち上がりでボコ付けば中域が濃いかもです。
→直線で10000rpmとかで頭打ちするならメインジェットが番数が大きすぎるかもです。
→アクセル開けていってドン付することもあります。(アクセル開度でリニアにパワーがでず、突然パワーがでるような感じ)


薄目だと
→エンジンが13000rpmまで回る。エンジンが妙にトルク感がない。息つきがあるなど症状がでます。
→プラグチョップしてみて、真っ白
→直線で12000rpmオーバーまでトルク感はないけど回るならメインジェット番数が小さすぎるかもです。
→コーナー立ち上がりで息付きするなら中域で薄いかも。
→アクセルOFFでバックファイアが発生する。
→アクセルOFFで回転落ちない



ではTM28のキャブの説明です。
この説明につかってるキャブはTM28(たぶん93RS)のものです。
勉強&予備部品として入手しましたた。91STDとは細かい中の部品(MJ番数など)は違いますが、構成は一緒です。
右の大きいのが下側のキャブ、左の小さいのが上側のキャブです。
下キャブの説明です。上キャブとは見た目の調整部品が違うので要注意です。
自分もまちがったんで^v^アイドリング3000回転はビックリ^v^



上キャブは本体の手で回せるのがスロットルスクリューで、これをエアスクリューと思ってた、、、自分は(*^_^*)
エアスクリューはマイナスドライバーで回すやつです。



まずは、メインジェットの変更方法です。
写真で緩めてる、下側3本のネジ外せば蓋が開きます。
ただし年代物だと、このネジはずれません。インパクトドライバなど入手してください。
自分も91くんは、インパクトなしでは外れませんでした。
4mmの1.5cmの6角に今は変更してます(*^_^*)



こんな感じで蓋ははずれます。
メインジェットが見えてます!!



メインジェット外しました。。どこか判りました?


更にいろいろ外しました。。。
なにがなにだか、良くわかってませんが、、、浮き袋みたいなヤツで油面の高さを調整してる
みたいなので、その高さがくるってるとセッティングが出ません。
規定値にちゃんとあってるか、まずか確認する必要がありますよ!!



はずしたヤツが、パイロットジェットです。
ちょっと奥まったところにあるので、キャブ専用のマイナスドライバだと作業しやすいですよ。
自分が使ってるのが、PBのキャブドライバです。さきっぽの幅が、そのまま上の方の幅になってます。
普通のマイナスは先っぽの幅より、ちょい上の方の幅の方が広いんですよね。



今度はスロットル側ですね。
ジェットニードルのセッティングの時開ける必要がでてきます。
上の2つのネジを外してください。
上キャブは良いけど、下キャブをエンジンについたままで蓋を外そうとすると、結構大変です。
自分はラジエーターをずらして外しましたけど、、



蓋について、こんな固まりがでてきます。
針の部分がジェットニードルです。見えてないですが、針が刺さる筒の方がニードルジェットです。



ワイヤーが中でひっかかってるだけなので、外してください。
こんな感じでビヨーンって出てきます。



ジェットニードルは、黒い箱の底にネジ2本?(だったと思う)で止まってるので、外せばでてきます。



はずした、メインジェット&ジェットニードルです。
ジェットニードルに填ってる、半円形のヤツを外して段数を変えることで調整ができます。
5段溝があります。91STDは3段目に填ってるはずです。



以上でキャブセッティングのやり方は終わりです。
あとはみなさんがんばって!!。。。
自分のデータは一番下に載せてはいますが、走行距離まだ100Kくらいで、しかも真夏のこの時期です。あやしすぎるかも、、
チャンバー交換自体は簡単です。自分で1時間程度の作業です。
キャブの方はエンジンに付いたままでやってたら、結構な時間かかりました。4時間くらい、メイン&ニードル段数変更で。
ネジがはずれなくて、インパクトドライバ買いに行ったりしてるからもだけど、、、

カウルを外して、エンジン本体についてるチャンバー固定の2本のネジ+車体についてるネジ1本を外したらとれます。
左右で6本ね!!
左右両方のチュンバーを外してください。片側ずつ外してつけると、片側のネジが被さってはずせないなどあるので、、
で左右チャンバー取り付けて終わりです。



で、とりつけて完了!!
今まー普通にはしってますよ!!(まだ下がかなり濃いようですが、、)
8000rpm〜11500rpmくらいで、パワーの出方が今までよりかなりパンチがあります。
下の方もトルクなくなるかと思ったけど、全然あります。STDとかわりないか、、ちょっとあるかもくらい。
エアクリナーつけたままだと、こんなもんなんでしょうね。
下スカスカになると思ってたんで、思わぬ誤算でした。


02.08 夏向けキャブセッティング
吸気:エアクリ(ノーマル)+フィルター(ノーマル新品)、リードバルブストッパーSPR用
排気:ドッグファイトチャンバー(レース用)
OIL:Hirokoひましじゃけん

部位名 上キャブ 下キャブ
メインジェット 210番(20番UP)
280番(90番UP)(誤り)
280番(20番UP)
210番(50番DOWN)(誤り)
ジェットニードル 5FN117(変更なし) 5FN118(変更なし)
クリップ段数 2/5(1段上) 2/5(1段上)
パイロットジェット 15番(変更なし) 15番(変更なし)
エアースクリュー 2+1/4戻し(1/4戻し増) 1+3/4戻し(1/4戻し増)
注)括弧書きはノーマル値に対しての数値
注)黒書きが狙ってた値、赤書きが実際。上下逆にしてました(;^_^A アセアセ…、今までのインプレはすべて、このセットでのインプレ、はしるもんだなあ。壊れなくて良かった。(02.10月追記)


まだ100Kしか試走してませんので、これがベストか自信は全然ありません。
(くれぐれも焼き付いても責任は持てませんので、自己責任でお願いします。)
なお自分も初心者ですので、良い設定値あったら教えてください(#^.^#)

真夏の気温30度超の世界で乗った感じは、
下は3000rpmくらいから付いてくる、トルクもりもり。
ノーマル時よりトルクあるかも、、
上は7000rpmくらいから弾ける予兆がでて、8000rpm〜11500rpmがパワーバンドですね。
ノーマルより明らかに上はパワーでてます。
ただ、5,6000rpmくらいで全開でないとき、なんかもたーってちょっとするかな、、谷があるってほどではないですけど。
プラグチョップした感じでは、薄いサビ色って感じです。まあまあなのかな。。


さて、だいぶ涼しくなってきました秋の入り口かな、このセットで9月(気温27度、くもり)に乗った感じです。
全開では12000rpmまで吹けます。12500くらいまでオーバレブって感じで回る感じです。
流れについてくのは、3000rpm付近からトルクがあり、かぶりもしません。
少々の登りなら3500rpm6速で50K〜60Kで流すことも可能です。STDではできなかったんですけどね(#^.^#)せいぜい4速だったような。
さて、そろそろ濃い目のセットにしないと行けない季節ですよね。

02.10 冬向けキャブセッティング
吸気:エアクリ(上の上蓋SP、下のエアクリまで吸気パイプ?をSP)+フィルター(ノーマル)、リードバルブストッパーSPR用
排気:ドッグファイトチャンバー(レース用)
OIL:Hirokoひましじゃけん

部位名 上キャブ 下キャブ
メインジェット 220番(30番UP)
280番(20番UP)
ジェットニードル 5FN117(変更なし) 5FN118(変更なし)
クリップ段数 3/5(変更なし) 3/5(変更なし)
パイロットジェット 15番(変更なし) 15番(変更なし)
エアースクリュー 2戻し(変更なし) 1+3/4戻し(変更なし)
注)括弧書きはノーマル値に対しての数値


秋になって、涼しくなってきたので、セッティング変更しました。
で、あけてビックリ夏場変更した時にMJが上下逆になってました。。。。でも一つずつ空けて、確認しながらやったつもりなんだけど。。+20って。。おかしいな。
んで、この設定で1000K以上走った上に高速、渋滞、ワインディングとすべてこなしてます。
壊れなくてよかった。ひましじゃけんだったからかな??注OILメーカーの回し者でないけど、まじで良いよ。これ。

今回のセットはまだまだ濃い目でこれから寒くなるのを期待してます(*^_^*)
九州の10月頭では、11800で頭打ちします。パワーがはじき切れてない感じ。トルク感は8月よりありますね。特に上の方。。。だって上下逆だもんね。
ただパワーバンドが7500rpmくらいから幾分おだやかにでてるので、逆にワインディングとか乗りやすい感じ。

あと上下逆の時の症状は、12000でパワー落ちだすけど、そのままノローっと回って行く。アクセル全開から若干もどすとスルスル13000まで回っていくなど出てました。
今回は12000で、そっからまじで回らないです。アクセル戻すと、もどしたぶん回る勢いがなくなるって感じです。
まー上下逆で走るの俺くらいのもんでしょうが(*^_^*)、、、症状の差ってこんなもんですよ。。。。

トルクは下からもりもりですよ。そこらへんは8月と感触かわってません。











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